平成の軌跡

世代交代?ぎりぎりまで暴れたい ー 遠藤保仁 - 

Jリーグ最多出場記録(631試合)が迫ってきているガンバ大阪のMF遠藤保仁選手に、今後の日本サッカー界に期待すること、自身の将来について語ってもらった

―日本代表、この先目指すべきところは

 まずはW杯でベスト8に進む、というところだと思います。ただ、日本より圧倒的に歴史の長いメキシコでも最近はベスト8に進出できていない。 世界のベスト8の壁はとてつもなく高いと思います。ベスト8に行く為には個々を伸ばすというのが最低限の条件ですし、それ以外にもJリーグのレベルアップも必要。 いい選手は海外へ挑戦すると思いますが、Jリーグの方がレベルアップできるんじゃないかと感じられる環境にしていかないと、なかなか代表のレベルも上がらないと思います。 まずは国内の選手がレベルアップしていくことが必要不可欠ですね。

―これからの日本代表を担うと期待する選手は

 現代表で一緒にプレーをしたことがある若い選手は数人しかいないので、うち(ガンバ大阪)の中村敬斗をおすすめします。 まだA代表には入っていないですが、持っているものは相当高いですし、なんせ顔がイケメンなので。東京オリンピックを通過点として、カタールW杯で暴れてほしいなと思います。 今すでに代表に入っている選手をおすすめしても面白くないので。彼には期待しています。多少の運も必要かもしれませんが、十分国を背負って戦える選手になっていくと思います。

―ベスト8の壁。越えるためには

 なんでしょうね…壁を越えるための「答え」は簡単には出てこないと思います。ベスト16までは結構進めると思っていますけど、ベスト8はなかなか。 この間のロシアW杯で他国の試合も見ながら感じました。ブラジルのような強豪国なら調子悪くても進出できることはあると思うんですが、今の日本だとすべてがかみ合わないといけないし、もちろん経験も勢いも必要。 そう考えるとベテランの力と勢いのある若手の力をうまく融合して、100%のパフォーマンスを出せれば必ず進出できるとまでは言わないですけど、チャンスは広がると思います。

―ベスト8に入ったらまたベスト4の壁というものが見えてくる

 出てくると思います。日本がベスト8の常連国になっていければベスト4に進めるチャンスも出てくるはずです。 たまたま行けたということもあるかもしれないですけど、世界のベスト8に常に進出するよねという国になっていければ先が見えてくると思います。

―それを積み重ねていけば、いつか一番上に

 難しいとは思いますが、一番上に行って欲しいですね。

―今後の自身の現役生活について

 ノープランですね。自分が行けるところまでずっと現役を続けるのか、それとも辞め時を考えるのか、どちらになるかはまだわからないですけれど。
けがで体が動かないという可能性もありますし、逆に何歳になっても元気に走り回って若手に負けないということもあるかもしれないですね。 まったく決めていないです。常に試合に絡んでいたいという気持ちはありますし、いろんなところでサッカーを楽しんだり、その場所の環境を楽しむということをやっていきたいなと思います。

―この先長い人生。やりたいことは

 ないですね。今は現役なのでサッカーを楽しむのが中心ですが、やめたら…とは言っても何かやっていそうだな。生活できる範囲で働きながら人生楽しみたいなと思いますね。 今は家族との時間もかなり削っていますし、より自分の時間と家族といる時間を増やしたいなと思っています。まあでも実際にはやめてから考えると思います。

―指導者をやりたいという気持ちは

 監督もコーチもやりたいですね。サッカー以外の仕事はなかなかできないと思うので。何かしらサッカーに関わる仕事をしたいなと思います。

archicreate Takanori Kikuta/photo

―今シーズンへの思いは

 チームは毎試合勝利するために全力を尽くしているので、試合を観に来ていただいたお客さんに楽しんでいただきながら勝つ試合を増やしていきたいと思っています。 Jリーグは非常に混戦なので、連勝したらすぐ順位が上にいきますし、連敗したらすぐ下になるので。チームの力を100%出せればどんな相手にも勝てると思うので、楽しいサッカーをしながら勝利するということを目標にやっていきます。 スタジアムに来ているお客さんが満足するサッカーをしたいですね。

―自身のプレー、若い頃と比べて今の方が勝っていることは

 経験でしょうね、そこだけだと思います。普通に考えれば40歳手前の選手は体力や動体視力が間違いなく若い頃より落ちていると思うので。 別にそれを隠そうとは思わないですし、そこで勝負しようとも思いません。ゲームの流れや先を読んで勝負していくところは若い頃に比べて優れているところですね。

―楢崎正剛さんが持つJリーグの最多出場記録(631試合)が迫ってきている。思うところは

 今はそんなに考えてはいないですが、残り1,2試合になれば自然と周りがうるさくなるので嫌でも意識すると思います。それもまだもう少し先ですし、どうなるかわからないので、あまり考えてないですね。 記録を更新できればもちろん嬉しいですし、誇れることかなと思います。 今シーズンなのか来シーズンになるのかわかりませんが、楢崎さんはフリューゲルスの時の大先輩なので、そういう意味でも1、2位がフリューゲルス出身というのはうれしいなと思っていますね。

―現役を続ける中で、個人の部分でもモチベーションは

 無理やり高めようというよりは勝手に高まっていくものかなと。試合に出たいという気持ちもそうですし。 もう40歳手前なので周りもそろそろ世代交代だと言いますが、ぎりぎりまで暴れようかなと。サッカーを楽しむという前提で若い選手と切磋琢磨し合って、若い選手よりいいプレーをするというのが非常に楽しいので。 これから若くていい選手がどんどん出てくると思いますが、そういう選手とポジションを争いながら楽しくやっていきたいなと思っています。

平成の振り返りから新たな時代での自身の将来について終始落ち着いた口調で話してくれた遠藤選手。 今回のインタビューを通して、現在の環境で心身ともに向き合いながらサッカーを楽しんでプレーしているということを強く感じた。 Jリーグ最多出場記録も迫る中、ベテランの経験を活かして自分らしくプレーする遠藤選手にこれからも注目したい。

遠藤保仁選手
1980年鹿児島県出身 遠藤三兄弟の三男(次男はアトランタ五輪代表・遠藤彰弘)、日本代表国際Aマッチ 出場数最多記録保持者。
1998年に鹿児島実業高校から横浜フリューゲルスに入団し、現所属 チームのガンバ大阪では数々のタイトル獲得に大きく貢献し、 2003年から10年連続でJリーグベストイレブンに選出。 2002年11月に日本代表国際Aマッチデビュー。その後は、日本 代表の中心選手として活躍し3度のワールドカップメンバーに 選ばれる。現在もガンバ大阪の中心選手として活躍中。
メイン写真・プロフィール写真:archicreate Takanori Kikuta/photo